CAPMの証明

CAPMの証明
市場ポートフォリオMとして、任意の証券Aの期待リターンE[RA]
E[RA]=rf+βA(E[RM]rf) βA=Cov(RA,RM)V[rm]=σAMσM2=ρAMσAσM となる。
ここでfは無リスク資産を表し、rfは無リスク金利である。
また、ρAMA,Mの相関係数、σA,σMA,Mの標準偏差である。
リスク・リターン平面(σ[R],E[R])上で無リスク資産fは点(0,rf)であり、市場ポートフォリオMは点(σM[RM],E[RM])である。
この点同士を結ぶ直線は
E[R]=E[RM]RfσMσ+rf となり、これは資本市場線であり、傾きは
E[RM]rfσM である。
次に市場ポートフォリオMと証券Aで構成されるポートフォリオPを考え、それぞれの構成割合をwA,wMとしてwA+wM=1とする。
このとき、ポートフォリオPの期待リターンと標準偏差は
E[RP]=E[wARA+wMRM]=E[RA]wA+E[RM]wM σP2[RP]=VP[wARA+wMRM]=wA2V[RA]+wM2V[RM]+2wAwMCov[RA,RM]=wA2σA2+wM2σM2+2wAwMCov[RA,RM] となり、リスク・リターン平面での傾きは
dE[RP]dσP[RP]=w={wA,wM}E[RP]wdwdσP2dσP2dσP=E[RP]wAdwAdσP2dσP2dσP+E[RP]wMdwMdσP2dσP2dσP=E[RA](12wAσA2+2wMσM2dwMdwA+2(wM+wAdwMdwA)Cov[RA,RM])2σP+E[RM](12wAσA2dwAdwM+2wMσM2+2(dwAdwMwM+wA)Cov[RA,RM])2σP=E[RA](12wAσA22wMσM2+2(wMwA)Cov[RA,RM])2σP+E[RM](12wAσA2+2wMσM2+2(wM+wA)Cov[RA,RM])2σP=E[RA](12wAσA22wMσM2+2(wMwA)Cov[RA,RM])2σPE[RM](12wAσA22wMσM2+2(wMwA)Cov[RA,RM])2σP=(E[RA]E[RM]2wAσA22wMσM2+2(wMwA)Cov[RA,RM])2σP=(E[RA]E[RM]wAσA2wMσM2+(wMwA)Cov[RA,RM])σP となる。
この傾きはwA=0,wM=1のときσP=σMとなり、資本市場線の傾きに一致するので、
E[RM]rfσM=[E[RA]E[RM]wAσA2wMσM2+(wMwA)Cov[RA,RM]σP]wA=0,wM=1=E[RA]E[RM]σAMσM2σM となる。
これより、
(E[RM]rf)(σAMσM2)=(E[RA]E[RM])σM2 となるので、
(E[RM]rf)σAM=(E[RA]rf)σM2 となり、
(E[RM]rf)σAMσM2=E[RA]rf となる。
ここで、
βA=σAMσM2 とおくと、
E[RA]rf=βA(E[RM]rf) となるので題意は成り立つ。

別証明

n個のリスク資産と、金利がrfの無リスク資産があり、リスク資産kの収益率はRkとする。
参加者がN人いて順に1,2,,Nと番号を付けて、参加者nのリスク資産kの割合をϕn,kとする。
参加者nのリスク資産全体の収益率をSnとする。
リスク資産の時価総額ポートフォリオには記号Mを使い、時価総額ポートフォリオのリスク資産kの割合をϕM,kとして、時価総額ポートフォリオの収益率をSMとする。
このとき、λn各参加者による比例定数とすると、
E[Ri]rf=λnCov[Sn,Ri] の関係があり、リスク資産全体の収益率は各リスク資産とその割合の積の総和となるので、
Sn=k=1nRkϕn,k であり、
E[Ri]rf=λnCov[Sn,Ri]=λnCov[k=1nRkϕn,k,Ri]=λnk=1nCov[Rk,Ri]ϕn,k となる。
リスク資産iの時価総額をviとして、参加者nのリスク資産からなる資産をwnとすると、
vi=n=1Nwnϕn,i の関係があるので、リスク資産kの時価総額ポートフォリオϕM,k
ϕM,k=vkj=1nvj=n=1Nwnϕn,kj=1nm=1Nwmϕm,i となる。
これより、
Cov[SM,Ri]=Cov[k=1nRkϕM,k,Ri]=k=1nCov[Rk,Ri]ϕM,k=k=1nCov[Rk,Ri]n=1Nwnϕn,kj=1nm=1Nwmϕm,i=n=1Nwnk=1nCov[Rk,Ri]ϕn,kj=1nm=1Nwmϕm,i=n=1Nwnλn1(E[Ri]rf)j=1nm=1Nwmϕm,i=λM1(E[Ri]rf) となる。
ここで、
λM=j=1nm=1Nwmϕm,in=1Nwnλn1 とおいた。
これより、
E[Ri]rf=λMCov[SM,Ri] となり、
E[SM]rf=E[k=1nRkϕM,k]rf=k=1n(E[Rk]rf)ϕM,k=k=1n(λMCov[SM,Rk])ϕM,k=λMCov[SM,k=1nRkϕM,k]=λMCov[SM,SM]=λMV[SM] となる。
λMについて解くと、
λM=E[SM]rfV[SM] であるので、
E[Ri]rf=λMCov[SM,Ri]=E[SM]rfV[SM]Cov[SM,Ri]=Cov[SM,Ri]V[SM](E[SM]rf) となる。
従って、
βM,i=Cov[RM,Ri]V[RM] とおけば、
E[Ri]rf=βM,i(E[RM]rf) となりCAPMが成り立つ。
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CAPMの証明
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