整列集合の定義
整列集合の定義
全順序集合\(\left(X,\preceq\right)\)の任意の空でない部分集合が最小元を持つとき\(\left(X,\preceq\right)\)を整列集合という。
全順序集合\(\left(X,\preceq\right)\)の任意の空でない部分集合が最小元を持つとき\(\left(X,\preceq\right)\)を整列集合という。
(1)
整列集合は自然数全体の集合\(\mathbb{N}\)を抽象化したものです。(2)
空集合\(\emptyset\)は空関係\(\emptyset\subseteq\emptyset\times\emptyset\)により順序\(\preceq\)を入れると、整列集合\(\left(\emptyset,\preceq\right)\)になります。(3)
全順序集合で最小元を持っても整列集合とは限らない。例えば\(X=\left[0,1\right]\)として通常の大小関係をとると、全順序集合となり、全体集合\(X\)では最小元は\(0\)であるが、部分集合\(\left(0,1\right)\subseteq X\)の最小元は存在しないので整列集合とはならない。
(4)
整列集合の定義の全順序集合を半順序集合にしてもいい。何故なら、任意の元\(a,b\in X\)をとると整列集合なので\(\left\{ a,b\right\} \)は最小元をもつ。
従って\(a\preceq b\lor b\preceq a\)が成り立つので全順序集合となるからである。
(1)
順序を通常の大小関係とすると、自然数全体の集合\(\mathbb{N}\)は整列集合であるが、整数全体の集合\(\mathbb{Z}\)や有理数全体の集合\(\mathbb{Q}\)や実数全体の集合\(\mathbb{R}\)は整列集合でない。(2)
全体集合を\(\mathbb{N}\cup\left\{ \omega\right\} \)として自然数同士は通常の大小関係を入れて自然数と\(\omega\)では常に\(\omega\)のほうが大きいとすると\(\left(\mathbb{N}\cup\left\{ \omega\right\} ,\preceq\right)\)は整列集合となる。この整列集合\(\left(\mathbb{N}\cup\left\{ \omega\right\} ,\preceq\right)\)は次のようになる。
\[ 1\prec2\prec3\prec\cdots\prec\omega \]
(3)
自然数全体の集合\(\mathbb{N}\)に奇数同士、偶数同士では通常の大小関係を入れて奇数と偶数では常に偶数のほうが大きいとすると\(\left(\mathbb{N},\preceq\right)\)は整列集合となる。この整列集合\(\left(\mathbb{N},\preceq\right)\)は次のようになる。
\[ 1\prec3\prec5\prec\cdots\preceq2\prec4\prec6\prec\cdots \]
ページ情報
タイトル | 整列集合の定義 |
URL | https://www.nomuramath.com/vh6cs0vl/ |
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超限帰納法
\[
P\left(\min X\right)\land\forall x\in X,\left(\forall a\prec x,P\left(a\right)\right)\rightarrow P\left(x\right)\Rightarrow\forall x\in X,P\left(x\right)
\]
順序写像・単調写像・順序反映・順序埋め込み・順序同型写像の定義
\[
a\preceq_{X}b\Rightarrow f\left(a\right)\preceq_{Y}f\left(b\right)
\]
整列可能定理
任意の集合は適当な順序を定めることによって整列集合にできる。
テューキーの補題
有限性をもつ空でない集合族$\mathcal{A}$に対し、包含関係を順序とする半順序集合$\left(\mathcal{A},\subseteq\right)$に極大元が存在する。