整除関係と大小関係

整除関係と大小関係

(1)

自然数\(\mathbb{N}\)の任意の2元\(a,b\in\mathbb{N}\)があるとき、\(a\mid b\)が成り立つならば\(a\leq b\)が成り立つ。
すなわち、
\[ \forall a,b\in\mathbb{N},a\mid b\rightarrow a\leq b \] が成り立つ。
逆は一般的に成り立たない。

(2)

0を除いた整数\(\mathbb{Z}\setminus\left\{ 0\right\} \)の任意の2元\(a,b\in\mathbb{Z}\setminus\left\{ 0\right\} \)があるとき、\(a\mid b\)が成り立つならば\(\left|a\right|\leq\left|b\right|\)が成り立つ。
すなわち、
\[ \forall a,b\in\mathbb{Z}\setminus\left\{ 0\right\} ,a\mid b\rightarrow\left|a\right|\leq\left|b\right| \] が成り立つ。
逆は一般的に成り立たない。
\(a,b\)を非負整数\(\mathbb{N}_{0}\)とすると、
\[ a\mid b\rightarrow a\leq b \] は一般的に成り立たない。
反例は\(a=1,b=0\)とすると\(1\mid0\)は真であるが、\(1\leq0\)は偽であるので\(1\mid0\nrightarrow1\leq0\)となる。
同様に\(a,b\)を整数\(\mathbb{Z}\)とすると、
\[ a\mid b\rightarrow a\leq b \] は一般的に成り立たない。
反例は\(a=1,b=0\)とすると\(1\mid0\)は真であるが、\(\left|1\right|\leq\left|0\right|\)は偽であるので\(1\mid0\nrightarrow\left|1\right|\leq\left|0\right|\)となる。

(1)

\(\Rightarrow\)

\(a\mid b\)が成り立つならば\(a,b\)は自然数なのである自然数\(n\in\mathbb{N}\)が存在し、\(b=na\)となるので\(a\leq b\)となる。
従って\(\Rightarrow\)が成り立つ。

\(\Leftarrow\)は一般的に成り立たない

反例で示す
\(2\leq3\)は成り立つが\(2\mid3\)は成り立たない。
故に逆は一般的に成り立たない。

(2)

\(\Rightarrow\)

(1)より、
\(a\mid b\leftrightarrow\left|a\right|\mid\left|b\right|\rightarrow\left|a\right|\leq\left|b\right|\)
となるので\(\Rightarrow\)が成り立つ。

\(\Leftarrow\)は一般的に成り立たない。

反例で示す
\(2\leq3\)は成り立つが\(2\mid3\)は成り立たない。
故に逆は一般的に成り立たない。

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整除関係と大小関係
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