第1可算空間であるなら基本近傍系は減少列にとれる

第1可算空間であるなら基本近傍系は減少列にとれる
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)が第1可算空間であるなら\(X\)の任意の元\(a\)に対し基本近傍系\(\mathcal{B}_{x}=\left\{ B_{x,n};n\in\mathbb{N}\right\} \)を減少列にとれる。
すなわち、\(B_{x,1}\supseteq B_{x,2}\supseteq\cdots\supseteq B_{x,n}\supseteq\cdots\)ととれる。
実数全体の集合\(\mathbb{R}\)に通常距離\(d\)をいれた距離空間\(\left(\mathbb{R},d\right)\)では\(a\in\mathbb{R}\)の基本近傍系を\(\left(U\left(a,\frac{1}{n}\right);n\in\mathbb{R}\right)\)ととれば\(U\left(a,1\right)\supseteq U\left(a,\frac{1}{2}\right)\supseteq\cdots\)\(\supseteq U\left(a,\frac{1}{n}\right)\supseteq\cdots\)と減少列になる。
第1可算空間なので基本近傍系は\(\mathcal{B}_{x}=\left\{ B_{x,n};n\in\mathbb{N}\right\} \)と可算濃度で表される。
このとき、\(B_{x,n}'=\bigcap_{k=1}^{n}B_{x,k}\)ととると、\(B_{x,n}'=\bigcap_{k=1}^{n-1}B_{x,k}\cap B_{x,n}=B_{x,n-1}'\cap B_{x,n}\)となり\(B_{x,n-1}'\supseteq B_{x,n}'\)なので減少列となる。
次にこの\(\mathcal{B}_{x}'=\left\{ B_{x,n}';n\in\mathbb{N}\right\} \)が基本近傍系になっていることを示す。
\(x\in X\)の任意の近傍\(U_{x}\)に対し、ある\(B_{x,n}\in\mathcal{B}_{x}\)が存在し、\(\mathcal{B}_{x}\)は基本近傍系なので\(x\in B_{x,n}\subseteq U_{x}\)を満たす。
ここで、\(B_{x,n}'\subseteq B_{x,n}\)であるので、\(x\in B_{x,n}\subseteq U_{x}\rightarrow x\in B_{x,n}'\subseteq U_{x}\)となる。
従って、\(\mathcal{B}_{x}'\)も基本近傍系となる。
故に基本近傍系は減少列にとれる。

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第1可算空間であるなら基本近傍系は減少列にとれる
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