連結部分集合・弧状連結部分集合・連結成分・弧状連結成分・完全不連結の定義
連結部分集合・弧状連結部分集合・連結成分・弧状連結成分・完全不連結の定義
この同値関係\(\sim\)による同値類を\(X\)の連結成分といい、\(x\in X\)を要素に持つ連結成分を\(C_{x}\)や\(C_{X}\left(x\right)\)で表す。
これは任意の\(\lambda\in\Lambda\)に対し\(A_{\lambda}\)は\(x\)を要素に持つ連結集合とすると\(C_{x}=\bigcup_{\lambda\in\Lambda}A_{\lambda}\)となる。
また、\(x\in C_{x}\)なので\(\Lambda\ne\emptyset\)となる。
連結成分は極大な連結部分集合である。
この同値関係\(\sim\)による同値類を\(X\)の弧状連結成分といい、\(x\in X\)を要素に持つ弧状連結成分を\(\pi_{x}\)や\(\pi_{X}\left(x\right)\)で表す。
弧状連結成分は極大な弧状連結部分集合である。
また位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)の部分空間\(\left(A,\mathcal{O}_{A}\right)\)が完全不連結空間であるとき、\(A\)を完全不連結集合という。
(1)連結部分集合
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)上の連結な部分集合を連結部分集合という。(2)弧状連結部分集合
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)上の弧状連結な部分集合を弧状連結部分集合という。(3)連結成分
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)上の2項関係\(\sim\)をある\(X\)の部分集合\(A\subseteq X\)が連結で\(x\in A\land y\in A\)を満たすとき\(x\sim y\)と定義すると、2項関係\(\sim\)は同値関係を満たす。この同値関係\(\sim\)による同値類を\(X\)の連結成分といい、\(x\in X\)を要素に持つ連結成分を\(C_{x}\)や\(C_{X}\left(x\right)\)で表す。
これは任意の\(\lambda\in\Lambda\)に対し\(A_{\lambda}\)は\(x\)を要素に持つ連結集合とすると\(C_{x}=\bigcup_{\lambda\in\Lambda}A_{\lambda}\)となる。
また、\(x\in C_{x}\)なので\(\Lambda\ne\emptyset\)となる。
連結成分は極大な連結部分集合である。
(4)弧状連結成分
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)上の2点\(x,y\in X\)を道で繋ぐことができるという関係は同値関係\(\sim\)になる。この同値関係\(\sim\)による同値類を\(X\)の弧状連結成分といい、\(x\in X\)を要素に持つ弧状連結成分を\(\pi_{x}\)や\(\pi_{X}\left(x\right)\)で表す。
弧状連結成分は極大な弧状連結部分集合である。
(5)完全不連結
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)があるとき、\(X\)の任意の点\(x\in X\)に対し、\(x\)を要素に含む連結成分\(C_{x}\)が\(C_{x}=\left\{ x\right\} \)となるとき、\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)を完全不連結空間という。また位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)の部分空間\(\left(A,\mathcal{O}_{A}\right)\)が完全不連結空間であるとき、\(A\)を完全不連結集合という。
連結成分で2項関係\(\sim\)が同値関係を満たす証明
反射率は明らかに成り立つ。
対称律も2項関係\(\sim\)の定義から明らかに成り立つ。
推移律は\(x\sim y\land y\sim z\)であるならばある連結集合\(A\subseteq X\)が存在し\(x\in A\land y\in A\)であり、ある連結集合\(B\subseteq X\)が存在する。
このとき、\(y\in B\land z\in B\)となり、\(\emptyset\ne\left\{ y\right\} \subseteq A\cap B\)なので\(A\cup B\)も連結集合となり\(x\in A\cup B\land z\in A\cup B\)となるので\(x\sim z\)であり、推移律を満たす。
故に反射律・対称律・推移律を満たすので同値類となる。
反射率は明らかに成り立つ。
対称律も2項関係\(\sim\)の定義から明らかに成り立つ。
推移律は\(x\sim y\land y\sim z\)であるならばある連結集合\(A\subseteq X\)が存在し\(x\in A\land y\in A\)であり、ある連結集合\(B\subseteq X\)が存在する。
このとき、\(y\in B\land z\in B\)となり、\(\emptyset\ne\left\{ y\right\} \subseteq A\cap B\)なので\(A\cup B\)も連結集合となり\(x\in A\cup B\land z\in A\cup B\)となるので\(x\sim z\)であり、推移律を満たす。
故に反射律・対称律・推移律を満たすので同値類となる。
連結成分の例
位相空間\(\left(\left\{ a,b,c\right\} ,\left\{ \emptyset,\left\{ a\right\} ,\left\{ b,c\right\} ,\left\{ a,b,c\right\} \right\} \right)\)の連結成分は\(C_{a}=\left\{ a\right\} ,C_{b}=\left\{ b,c\right\} \)となる。弧状連結成分の例
位相空間\(\left(\left\{ a,b,c\right\} ,\left\{ \emptyset,\left\{ a\right\} ,\left\{ b,c\right\} ,\left\{ a,b,c\right\} \right\} \right)\)の弧状連結成分は\(\pi_{a}=\left\{ a\right\} ,\pi_{b}=\left\{ b,c\right\} \)となる。完全不連結の例
\(2\leq\left|X\right|\)となる離散位相\(\left(X,2^{X}\right)\)は任意の\(a,b\in X\)に対し、\(a\ne b\)であれば\(\left\{ a\right\} \)は閉集合かつ開集合なので\(\left\{ a,b\right\} \)は非連結となり、\(a\nsim b\)となる。これより\(x\)を含む連結成分は\(C_{x}=\left\{ x\right\} \)となるので\(\left(X,2^{X}\right)\)は完全不連結空間となる。
\(\left|X\right|=1\)となる離散位相\(\left(X,2^{X}\right)\)は\(\left(\left\{ x\right\} ,\left\{ \emptyset,\left\{ x\right\} \right\} \right)\)の形で表され、明らかに\(C_{x}=\left\{ x\right\} \)となるので完全不連結空間となる。
完全不連結の例-2
上限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{u}\right)\)は完全不連結空間となる。何故なら連結成分が\(C_{x}\ne\left\{ x\right\} \)とすると、異なる\(x,y\in C_{x}\)がとれて\(\left(\left(-\infty,\frac{x+y}{2}\right]\cap C_{x}\right)\cup\left(\left(\frac{x+y}{2},\infty\right)\cap C_{x}\right)=C_{x},\left(-\infty,\frac{x+y}{2}\right]\cap\left(\frac{x+y}{2},\infty\right)\cap C_{x}=\emptyset,\left(-\infty,\frac{x+y}{2}\right]\cap C_{x}\ne\emptyset,\left(\frac{x+y}{2},\infty\right)\cap C_{x}\ne0\)となるので\(x,y\in C_{x}\)と矛盾する。
従って\(C_{x}=\left\{ x\right\} \)となり完全不連結空間となる。
完全不連結の例-3
通常位相\(\left(\mathbb{Q},\mathcal{O}_{n}\right)\)は完全不連結空間となる。何故なら連結成分が\(C_{x}\ne\left\{ x\right\} \)とすると、異なる\(x,y\in C_{x}\)がとれて、\(x\)と\(y\)の間に無理数\(z\in C_{x}\)が存在し、\(\left(\left(-\infty,z\right)\cap C_{x}\right)\cup\left(\left(z,\infty\right)\cap C_{x}\right)=C_{x},\left(-\infty,z\right)\cap\left(z,\infty\right)\cap C_{x}=\emptyset,\left(-\infty,z\right)\cap C_{x}\ne\emptyset,\left(z,\infty\right)\cap C_{x}\ne0\)となるので\(x,y\in C_{x}\)と矛盾する。
従って\(C_{x}=\left\{ x\right\} \)となり完全不連結空間となる。
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密着位相\(\left(\left\{ a,b\right\} ,\left\{ \emptyset,\left\{ a,b\right\} \right\} \right)\)の連結成分・弧状連結線分は共に\(\left\{ a,b\right\} \)となる。シェルピンスキー空間\(\left(\left\{ a,b\right\} ,\left\{ \emptyset,\left\{ a\right\} ,\left\{ a,b\right\} \right\} \right)\)の連結成分・弧状連結線分は共に\(\left\{ a,b\right\} \)となる。
離散位相\(\left(\left\{ a,b\right\} ,\left\{ \emptyset,\left\{ a\right\} ,\left\{ b\right\} ,\left\{ a,b\right\} \right\} \right)\)の連結成分・弧状連結線分は共に\(\left\{ a\right\} ,\left\{ b\right\} \)となる。
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タイトル | 連結部分集合・弧状連結部分集合・連結成分・弧状連結成分・完全不連結の定義 |
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弧状連結と連結の関係
弧状連結ならば連結。
局所連結・局所弧状連結の定義
連結であることと離散位相空間への連続写像による同値
位相空間での中間値の定理