T1空間と同値な条件
T1空間と同値な条件
(1)
\(T_{1}\)空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)であることと任意の単集合が閉集合であることは同値である。(2)
\(T_{1}\)空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)であることと任意の有限部分集合が閉集合であることは同値である。単集合とは\(a\in X\)として1点集合\(\left\{ a\right\} \subseteq X\)のことである。
離散位相\(\left(X,2^{X}\right)\)は\(T_{1}\)空間なので1点集合は閉集合となる。
(1)
\(\Rightarrow\)
\(T_{1}\)空間なので任意の異なる2元\(x,y\in X\)に対しある\(O_{y}\in\mathcal{O}\)が存在し、\(y\in O_{y}\land x\notin O_{y}\)となる。\(y\)は\(x\)以外の全ての元について成り立つので、それらの和集合をとると
\begin{align*} \bigcup_{y\in X\setminus\left\{ x\right\} }O_{y} & =X\setminus\left\{ x\right\} \\ & =\left\{ x\right\} ^{c} \end{align*} となり、開集合の和集合なので開集合
\[ \bigcup_{y\in X\setminus\left\{ x\right\} }O_{y}\in\mathcal{O} \] となる。
これより、
\begin{align*} \left\{ x\right\} ^{c} & =\bigcup_{y\in X\setminus\left\{ x\right\} }O_{y}\\ & \in\mathcal{O} \end{align*} となり、\(\left\{ x\right\} ^{c}\)は開集合なので補集合\(\left\{ x\right\} ^{cc}=\left\{ x\right\} \)は閉集合となる。
\(\Leftarrow\)
任意の異なる2元\(x,y\in X\)に対し、仮定より単集合\(\left\{ x\right\} \)が閉集合なので、その補集合\(\left\{ x\right\} ^{c}=X\setminus\left\{ x\right\} \)は開集合となり、異なる2元なので\(y\)は必ず\(\left\{ x\right\} ^{c}\)に含まれる。これより、\(y\in\left\{ x\right\} ^{c}\land x\notin\left\{ x\right\} ^{c}\)となる。
同様に、\(x\in\left\{ y\right\} ^{c}\land y\notin\left\{ y\right\} ^{c}\)となる。
従って、\(T_{1}\)空間となる。
\(\Leftrightarrow\)
これらより、\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)が成り立つ。(2)
\(\Rightarrow\)
\(T_{1}\)空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)であるとき、単集合は閉集合あり、閉集合の有限個の和集合も閉集合なので有限部分集合は閉集合となる。従って\(\Rightarrow\)が成り立つ。
\(\Leftarrow\)
有限部分集合が閉集合であるとき、任意の単集合も閉集合となるので、\(T_{1}\)空間となる。従って\(\Leftarrow\)が成り立つ。
\(\Leftrightarrow\)
これらより、\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)が成り立つ。ページ情報
タイトル | T1空間と同値な条件 |
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