位相空間での点列と収束・極限点の定義

位相空間での点列と収束・極限点の定義

(1)点列

位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)が与えられたとき、自然数から\(X\)の元への写像\(f:\mathbb{N}\rightarrow X,n\mapsto f\left(n\right)=x_{n}\)を\(X\)の点列といい、\(x_{1},x_{2},\cdots\)と順に並べたものを\(\left(x_{n}\right)_{n\in\mathbb{N}}=\left(x_{1},x_{2},\cdots\right)\)で表す。
各\(x_{n}\)を点列の項といい、\(n\)番目の項\(a_{n}\)を第\(n\)項という。

(2)部分点列・部分列

自然数から自然数への狭義単調増加写像(順序を保つ単射)(\(m<n\rightarrow\sigma\left(m\right)<\sigma\left(n\right)\))を\(\sigma:\mathbb{N}\rightarrow\mathbb{N}\)とする。
無限点列\(\left(x_{n}\right)\)があるとき、数列\(\left(x_{\sigma\left(n\right)}\right)\)を\(\left(x_{n}\right)\)の部分点列という。

(3)収束・極限点

位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)の点列\(\left(x_{n}\right)_{n\in\mathbb{N}}\)があるとする。
\(x\in X\)の任意の開近傍\(U_{x}\in\mathcal{U}_{x}\)に対し、ある自然数\(N\in\mathbb{N}\)が存在し、\(N\leq n\)ならば\(x_{n}\in U_{x}\)となるとき、点\(x\)に収束するという。
すなわち、
\[ \forall U_{x}\in\mathcal{U}_{x},\exists N\in\mathbb{N},N\leq n\rightarrow x_{n}\in U_{x} \] である。
収束するとき、
\[ \lim_{n\rightarrow\infty}x_{n}=x \] や、\(x_{n}\rightarrow x\left(n\rightarrow\infty\right)\)で表し、\(x\)を点列\(\left(x_{n}\right)_{n\in\mathbb{N}}\)の極限点という。
数列では収束すれば極限値は一意的に決まるが、点列は収束しても極限点が一意的に決まるとは限らない。
例えば密着位相\(\left(X,\left\{ \emptyset,X\right\} \right)\)では\(x\in X\)の近傍は\(X\)しかないので、開近傍系は\(\mathcal{U}_{x}=\left\{ X\right\} \)のみになり、\(1\leq n\rightarrow x_{n}\in X\Leftrightarrow\top\)となるので任意の点列があると任意の\(x\)に収束させることが出来る。

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収束するための条件は位相空間では\(x_{n}\in U_{x}\)なのでこれを距離空間の開近傍を使って表すと\(x_{n}\in U\left(x,\epsilon\right)\)となり、これは\(d\left(x_{n},x\right)<\epsilon\)と同じになる。

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位相空間での点列と収束・極限点の定義
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