収束列ならばコーシー列
収束列ならばコーシー列
収束列ならばコーシー列となる。
逆は一般に成り立たない。
完備空間のときは逆も成り立つ。
収束列ならばコーシー列となる。
逆は一般に成り立たない。
完備空間のときは逆も成り立つ。
(0)
数列\(\left(a_{n}\right)\)が\(a\)に収束するとする。このとき、
\[ \lim_{n\rightarrow\infty}a_{n}=a \] であるので、
\[ \forall\epsilon>0\;,\;\exists N\in\mathbb{N}\;;\;n\geq N\Rightarrow\left|a_{n}-a\right|<\epsilon \] となる。
このとき、\(m,n\geq N\)となる\(m,n\)を選ぶと、
\begin{align*} \left|a_{m}-a_{n}\right| & =\left|a_{m}-a-\left(a_{n}-a\right)\right|\\ & \leq\left|a_{m}-a\right|+\left|a_{n}-a\right|\\ & <\epsilon+\epsilon\\ & =2\epsilon \end{align*} となるので、
\[ \forall\epsilon>0\;,\;\exists N\in\mathbb{N}\;;\;m,n\geq N\Rightarrow\left|a_{m}-a_{n}\right|<2\epsilon \] となり数列\(\left(a_{n}\right)\)はコーシー列となる。
(0)-2
逆は成り立たないことの反例距離空間として\(\left(0,1\right]\)をとり、\(a_{n}=\frac{1}{n}\)とすると、コーシー列であるが、\(\left(0,1\right]\)に極限値の\(0\)は含まれていないので収束列ではない。
(0)-3
逆は成り立たないことの反例距離空間として有理数をとり
\begin{align*} a_{1} & =1\\ a_{2} & =1.4\\ a_{3} & =1.5 \end{align*} と\(\sqrt{2}\)に近づけていく。このとき
\[ \lim_{n\rightarrow\infty}a_{n}=\sqrt{2} \] となるが、これはコーシー列であるが、極限値の\(\sqrt{2}\)は無理数で有理数ではないので収束列にはならない。
(0)-4
完備空間ならコーシー列ならば収束列の証明コーシー列より
\[ \forall\epsilon>0\;,\;\exists N\in\mathbb{N}\;;\;m,n\geq N\Rightarrow\left|a_{m}-a_{n}\right|<\epsilon \] となるので、\(m,n\geq N\)のとき、
\[ \left|a_{m}-a_{n}\right|<\epsilon \] より、
\[ a_{m}-\epsilon<a_{n}<a_{m}+\epsilon \] となる。
ここで
\[ \alpha=\min\left(a_{1},a_{2},\cdots,a_{n-1},a_{m}-\epsilon\right) \] \[ \beta=\max\left(a_{1},a_{2},\cdots,a_{n-1},a_{m}-\epsilon\right) \] とおく。
\(n<N\)のとき、
\[ \alpha\leq a_{n}\leq\beta \] \(N\leq n\)のとき、
\[ \alpha\leq a_{m}-\epsilon\leq a_{n}\leq a_{m}+\epsilon\leq\beta \] となるので、任意の自然数\(n\)に対して、
\[ \alpha\leq a_{n}\leq\beta \] が成り立つ。
これより、コーシー列\(a_{n}\)は有界であるので、ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理より、収束する部分列をもつ。
この部分列を\(\left(a_{\sigma\left(n\right)}\right)_{n\in\mathbb{N}}\)として収束値を\(a\)とすると、
\[ \forall\epsilon^{\prime}>0\;,\;\exists N^{\prime}\in\mathbb{N}\;;\;k\geq N^{\prime}\Rightarrow\left|a_{k}-a\right|<\epsilon^{\prime} \] となる。
これより、\(\max\left(N,N^{\prime}\right)\leq n,k\)のとき、
\begin{align*} \left|a_{n}-a\right| & =\left|\left(a_{n}-a_{k}\right)+\left(a_{k}-c\right)\right|\\ & \leq\left|a_{n}-a_{k}\right|+\left|a_{k}-c\right|\\ & <\epsilon+\epsilon^{\prime} \end{align*} \(\epsilon\)と\(\epsilon^{\prime}\)は任意の正数であるので、記号を置きなおして、
\[ \forall\epsilon>0\;,\;\exists N\in\mathbb{N}\;;\;n\geq N\Rightarrow\left|a_{n}-a\right|<\epsilon \] となり、
\[ \lim_{n\rightarrow\infty}a_{n}=a \] と収束するので\(\left(a_{n}\right)\)は収束列となる。
ページ情報
タイトル | 収束列ならばコーシー列 |
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各点収束するが一様収束しない例
上限・下限・最大元・最小元・上極限・下極限の定数倍
\[
\sup_{n\in\mathbb{N}}\left(ca_{n}\right)=\begin{cases}
c\sup_{n\in\mathbb{N}}\left(a_{n}\right) & c>0\\
c\inf_{n\in\mathbb{N}}\left(a_{n}\right) & c<0\\
0 & c=0
\end{cases}
\]
条件収束と絶対収束の定義
数列$\left\{ a_{n}\right\} $の各項$a_{n}$の絶対値をとった総和が$\sum_{k=1}^{\infty}\left|a_{n}\right|<\infty$となるとき、$\sum_{k=1}^{\infty}a_{n}$は絶対収束するという。
有界閉区間上の連続関数はリーマン可積分
有界閉区間上の連続関数はリーマン可積分である。