稠密・可分空間の定義
稠密・可分空間の定義と性質
稠密・可分空間の定義
また、\(X\)の空でない任意の開集合\(B\)に対し、\(A\cap B\ne\emptyset\)であることと同じである。
また、任意の元\(x\in X\)に対し、\(x\)を含む任意の近傍\(V_{x}\)が\(A\)の元を少なくとも1つ含むことと同じである。
すなわち\(x\)を含む近傍系を\(\mathcal{V}_{x}\)とおくと、
\[ A\subseteq X,\forall x\in X,\forall V_{x}\in\mathcal{V}_{x},\exists y\in A,y\in V_{x} \] となる。
言い換えると、位相空間が可算で稠密な部分集合をもつとき、\(X\)は可分空間である。
稠密・可分空間の性質
このとき、\(A\)が稠密であることと、任意の開集合\(O\in\mathcal{O}\)について\(O\ne\emptyset\)ならば\(O\cap A\ne\emptyset\)を満たすことは同値となる。
稠密・可分空間の定義
(1)稠密
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)とその部分集合\(A\subseteq X\)があるとき\(A\)の閉包が\(X\)に等しいとき、すなわち\(A^{a}=X\)となるとき、\(X\)上で\(A\)は稠密であるという。また、\(X\)の空でない任意の開集合\(B\)に対し、\(A\cap B\ne\emptyset\)であることと同じである。
また、任意の元\(x\in X\)に対し、\(x\)を含む任意の近傍\(V_{x}\)が\(A\)の元を少なくとも1つ含むことと同じである。
すなわち\(x\)を含む近傍系を\(\mathcal{V}_{x}\)とおくと、
\[ A\subseteq X,\forall x\in X,\forall V_{x}\in\mathcal{V}_{x},\exists y\in A,y\in V_{x} \] となる。
(2)可分空間
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)が与えられたとき、ある部分集合\(A\subseteq X\)が存在し、稠密かつ濃度が高々可算すなわち可算部分集合\(\left|A\right|\leq\aleph_{0}\)を持つとき\(X\)を可分空間という。言い換えると、位相空間が可算で稠密な部分集合をもつとき、\(X\)は可分空間である。
稠密・可分空間の性質
(1)
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)があり部分集合\(A\subseteq X\)があるとする。このとき、\(A\)が稠密であることと、任意の開集合\(O\in\mathcal{O}\)について\(O\ne\emptyset\)ならば\(O\cap A\ne\emptyset\)を満たすことは同値となる。
\(X\)上で\(A\)が稠密であるとき、
\[ \forall a\in X,\exists\left(a_{n}\right)_{n\in\mathbb{N}}\subseteq A,\lim_{n\rightarrow\infty}a_{n}=a \] となる。
\[ \forall a\in X,\exists\left(a_{n}\right)_{n\in\mathbb{N}}\subseteq A,\lim_{n\rightarrow\infty}a_{n}=a \] となる。
稠密の例
\(\mathbb{R}\)上で有理数\(\mathbb{Q}\)の閉包は\(\mathbb{Q}^{a}=\mathbb{R}\)なので、\(\mathbb{R}\)上で\(\mathbb{Q}\)は稠密である。可分空間の例
\(\mathbb{R}\)上で有理数\(\mathbb{Q}\)は稠密かつ\(\left|\mathbb{Q}\right|=\aleph_{0}\)なので可算無限となるので、\(\mathbb{R}\)は可分空間となる。(1)
\(\Rightarrow\)
条件より\(A\)は稠密なので\(A^{a}=X\)となり、任意の開集合\(O\in\mathcal{O}\)について\(O\cap A=\emptyset\Leftrightarrow O\cap A^{a}=\emptyset\)が成り立つ。これより、\(O\cap A=\emptyset\Leftrightarrow O\cap A^{a}=\emptyset\Leftrightarrow O\cap X=\emptyset\Leftrightarrow O=\emptyset\)となるので、対偶をとると、\(O\cap A\ne\emptyset\Leftrightarrow O\ne\emptyset\)となる。
従って、任意の開集合\(O\in\mathcal{O}\)について\(O\ne\emptyset\)ならば\(O\cap A\ne\emptyset\)が成り立つ。
\(\Leftarrow\)
対偶で示す。\(A\)が稠密でないとき、ある開集合\(O\in\mathcal{O}\)が存在して\(O\ne\emptyset\)かつ\(O\cap A=\emptyset\)を満たすことを示せばよい。
\(A\)が稠密でないとき、\(A^{a}\ne X\)なので\(A^{ac}\ne X^{c}=\emptyset\)であり\(A^{ac}\)は閉集合\(A^{a}\)の補集合\(A^{ac}\)なので開集合である。
このとき、\(A^{ac}\cap A^{a}=\emptyset\)が成り立つので\(A^{ac}\cap A=\emptyset\)が成り立つ。
従って、\(A^{ac}\ne\emptyset\)かつ\(A^{ac}\cap A=\emptyset\)を満たし、\(A^{ac}\)は開集合であるので、ある開集合\(O\in\mathcal{O}\)が存在し、\(O\ne\emptyset\)かつ\(O\cap A=\emptyset\)を満たす。
従って、対偶が成り立つ。
故に\(\Leftarrow\)が成り立つ。
\(\Leftrightarrow\)
これらより\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)が成り立つ。ページ情報
タイトル | 稠密・可分空間の定義 |
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