実数の補有限位相は弧状連結・連結

実数の補有限位相は弧状連結・連結
実数全体の集合\(\mathbb{R}\)の補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)について次が成り立つ。

(1)

補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は連結となる。

(2)

補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は弧状連結となる。
一般的に非可算無限集合の補有限位相は連結で弧状連結となります。

-

実数全体の集合\(\mathbb{R}\)から\(\left\{ 0\right\} \)を除いた集合\(\mathbb{R}\setminus\left\{ 0\right\} \)の通常位相\(\left(\mathbb{R}\setminus\left\{ 0\right\} ,\mathcal{O}_{n}\right)\)は弧状連結になりませんが、補有限位相\(\left(\mathbb{R}\setminus\left\{ 0\right\} ,\mathcal{O}_{c}\right)\)は弧状連結になります。
何故なら、\(a\in\mathbb{R}\setminus\left\{ 0\right\} \)から\(b\in\mathbb{R}\setminus\left\{ 0\right\} \)への連続な道は写像\(f:\left[0,1\right]\rightarrow\mathbb{R}\setminus\left\{ 0\right\} ,f\left(0\right)=a,f\left(1\right)=b\)を
\[ f\left(t\right)=\begin{cases} a+\left(b-a\right)t & t\ne-\frac{a}{b-a}\\ \max\left\{ a,b\right\} +1 & t=-\frac{a}{b-a} \end{cases} \] とすれば、閉集合は有限集合で\(f\)は単射であるので任意の閉集合の逆像は有限集合となり閉集合になるので\(f\)は連続写像になるからです。

(1)

(2)より、弧状連結なので連結となる。

(1)-2

連結空間の連続写像による像は連結となるので(2)と同様にすればいい。

(1)-3

直接証明する。
補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は非連結と仮定する。
非連結なので全体集合\(\mathbb{R}\)でも空集合\(\emptyset\)でもないある部分集合\(A\subseteq\mathbb{R}\)が存在し、開集合かつ閉集合となる。
しかし、補有限位相なので、\(A\)が開集合であれば\(\left|A^{c}\right|<\infty\)となり、\(A\)が閉集合であれば\(A^{c}\)が開集合なので\(\left|A\right|<\infty\)となるので、\(\left|\mathbb{R}\right|=\left|A\cup A^{c}\right|=\left|A\right|+\left|A^{c}\right|<\infty\)となり矛盾。
これより、非連結という仮定が間違いで背理法より連結となる。

(2)

補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は通常位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{n}\right)\)より弱い位相\(\mathcal{O}_{c}\subseteq\mathcal{O}_{n}\)であるので、\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{n}\right)\)から\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)への恒等写像\(f:\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{n}\right)\rightarrow\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は連続写像になる。
通常位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{n}\right)\)では弧状連結なので連続写像による像も弧状連結となる。
従って題意は成り立つ。

(2)-2

直接証明する。
\(a,b\in\mathbb{R}\)をとり、写像\(f:\left[0,1\right]\rightarrow\mathbb{R},t\mapsto f\left(t\right)=a+\left(b-a\right)t\)をとると、\(f\left(0\right)=a,f\left(1\right)=b\)となる。
このとき写像\(f\)が連続写像になれば弧状連結になるので、連続写像であることを示す。
\(a=b\)のとき、\(0\leq t\leq1\rightarrow f\left(t\right)=a\)となり、定値写像となるので連続写像となる。
\(a\ne b\)のとき、\(f\)は単射となり、\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)の閉集合全体の集合を\(\mathcal{F}_{c}\)とする。
任意の\(F_{c}\in\mathcal{F}_{c}\)に対し、\(F_{c}\)は有限集合で\(f\)は単射なので逆像\(f^{\bullet}\left(F_{c}\right)\)は有限個の1点集合の和集合なので閉集合となり\(f\)は連続写像となる。
これより、\(a=b\)のときも\(a\ne b\)のときも、任意の\(a,b\)に対して\(f\)は連続写像となるので\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は弧状連結となる。

ページ情報
タイトル
実数の補有限位相は弧状連結・連結
URL
https://www.nomuramath.com/ukxvg40b/
SNSボタン