位相空間での開集合・閉集合と内部・境界・閉包・導集合の基本

位相空間での開集合・閉集合と内部・境界・閉包・導集合の基本
位相空間\(\left(X,\mathcal{O}\right)\)として部分集合を\(A\subseteq X\)とする。

(1)

\(A^{i}\subseteq A\)が成り立つ。

(2)

\(A\subseteq A^{a}\)が成り立つ。

(3)

\(A\)が開集合と\(A=A^{i}\)は同値である。

(4)

\(A\)が閉集合と\(A=A^{a}\)は同値である。

(5)

\(A\)に含まれる最大の開集合は\(A^{i}\)である。

(6)

\(A\)を含む最小の閉集合は\(A^{a}\)である。

(7)

\(A^{i}\)は\(A\)に含まれる開集合の和集合と同値である。

(8)

\(A^{a}\)は\(A\)を含む閉集合の積集合と同値である。

(9)

\(A\)が開集合と\(A\cap A^{f}=\emptyset\)は同値である。

(10)

\(A\)が閉集合と\(A^{f}\subseteq A\)は同値である。

(11)

\(A^{f}\)は閉集合となる。

(12)

\(A\)が閉集合であることと\(A^{d}\subseteq A\)であることは同値である。

-

\(A^{i}\)は\(A\)の内部である。
\(A^{f}\)は\(A\)の境界である。
\(A^{a}\)は\(A\)の閉包である。
\(A^{d}\)は\(A\)の導集合である。

(1)

内点の定義より、\(a\in A^{i}\rightarrow a\in A\)となるので題意は成り立つ。

(2)

閉包の定義より、\(a\in A\rightarrow a\in A^{a}\)となるので題意は成り立つ。

(3)

\(\Rightarrow\)

\(A\)が開集合であれば、ある\(O\in\mathcal{O}\)が存在し\(A=O\)となるが\(O=O^{i}\)であるので\(A=O=O^{i}=A^{i}\)となる。

\(\Leftarrow\)

\(A^{i}\)の任意の元はその元を含む\(A^{i}\)の部分集合となる開集合が存在し、その開集合の和集合は開集合になりそれは\(A^{i}\)なので\(A^{i}\)は開集合となる。
これより、\(A=A^{i}\)であれば\(A\)は開集合となる。

\(\Leftrightarrow\)

これらより\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)が成り立つ。

(4)

\(\Rightarrow\)

補集合が開集合のとき閉集合なので、\(A\)が閉集合のとき\(A^{c}=A^{ci}\)が成り立つ。
故に\(A=A^{cc}=A^{cic}=A^{a}\)となる。

\(\Leftarrow\)

\(A=A^{a}\)のとき\(A^{c}=A^{ac}=A^{e}=A^{ci}\)となり補集合が開集合となるので閉集合となる。

\(\Leftrightarrow\)

これらより\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)が成り立つ。

(5)

\(A\)に含まれる任意の開集合を\(B\)とする。
このとき、\(B\subseteq A\)であるので\(B^{i}\subseteq A^{i}\)となり\(B\)は開集合なので\(B=B^{i}\)となり、\(B=B^{i}\subseteq A^{i}\)となる。
従って任意の開集合\(B\)について\(B\subseteq A^{i}\)となり\(A^{i}\)は開集合なので\(A\)に含まれる最大の開集合となる。

(5)-2

内部の定義より、\(A^{i}\)は任意の\(A^{i}\)の元に対しその元を含むある開集合が存在し\(A^{i}\)に含まれるので\(A^{i}\)は開集合となる。
\(A\)に含まれる最大の開集合を\(B\)とする。
このとき\(B\subseteq A\)となるので両辺の内部は\(B^{i}=B\)なので\(B\subseteq A^{i}\subseteq A\)となるが\(B\)は\(A\)に含まれる最大の開集合なので\(B=A^{i}\)となる。
これより、題意は成り立つ。

(6)

\(A\)を含む最小の閉集合を\(B\)とする。
このとき、\(A^{c}\)に含まれる最大の開集合が\(B^{c}\)となる。
これより、\(B^{c}=A^{ci}\)となるので、\(B=A^{cic}=A^{a}\)となり、\(A\)を含む最小の閉集合は\(A^{a}\)となる。

(7)

\(\Rightarrow\)

\(a\in A^{i}\)のとき\(a\)は\(A\)に含まれるある開集合であるので\(\Rightarrow\)が成り立つ。

\(\Leftarrow\)

\(A\)に含まれる開集合の和集合は\(A\)に含まれる最大の開集合であるので\(A^{i}\)となる。

\(\Leftrightarrow\)

これらより、\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので、\(\Leftrightarrow\)が成り立つ。

(8)

\(A^{ac}=A^{ci}\)なので対偶をとると、\(A^{ci}\)は\(A^{c}\)に含まれる開集合の和集合と同値であるとなるので、\(A^{c}\)を\(A\)と置き直せば成り立つ。
故に題意は成り立つ。

(9)

\(\Rightarrow\)

\(A\)が開集合であるとき、\(A=A^{i}\)なので\(A\cap A^{f}=A^{i}\cap A^{f}=\emptyset\)となるので\(\Rightarrow\)が成り立つ。

\(\Leftarrow\)

\(A\cap A^{f}=\emptyset\)とする。
任意の\(a\in A\)に対し\(a\in A^{i},a\in A^{f}\)のどちらか1つであるが、\(a\in A^{f}\)と仮定すると\(A\cap A^{f}\ne\emptyset\)となり矛盾。
これより、任意の\(a\in A\)に対し\(a\in A^{i}\)とならなければいけないので、\(A\subseteq A^{i}\)となる。
また、\(A^{i}\subseteq A\)が成り立つので、\(A=A^{i}\)となるがこれは\(A\)が開集合であるということである。

\(\Leftrightarrow\)

故に\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)となる。

(10)

\(\Rightarrow\)

\(A\)が閉集合であるとき、\(A=A^{a}\)であるので、\(A^{f}\subseteq A^{i}\cup A^{f}=A^{a}=A\)となる。
故に\(\Rightarrow\)が成り立つ。

\(\Leftarrow\)

\(A^{f}\subseteq A\)であるとき、\(A^{a}=A^{i}\cup A^{f}\subseteq A^{i}\cup A=A\)となるので\(A^{a}\subseteq A\)となる。
また\(A\subseteq A^{a}\)が成り立つので、\(A=A^{a}\)となるが、これは\(A\)が閉集合であるということである。

\(\Leftrightarrow\)

故に\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)となる。

(11)

\(A^{f}=A^{a}\cap A^{ca}\)であるが、\(A^{a},A^{ca}\)は共に閉集合であるので、その積集合\(A^{a}\cap A^{ca}\)も閉集合となる。
従って、\(A^{f}\)は閉集合となる。

(11)-2

\(A^{f}\)の補集合\(A^{i}\cup A^{ci}\)が開集合であれば\(A^{f}\)は閉集合となる。
\(A^{i},A^{ci}\)ともに開集合であり、その和集合も開集合となるので、\(A^{i}\cup A^{ci}\)は開集合となる。
これより、\(A^{f}\)の補集合\(A^{i}\cup A^{ci}\)が開集合であるので、\(A^{f}\)は閉集合となる。

(12)

\(\Rightarrow\)

\(A\)が閉集合であるとき、\(A=A^{a}\)であるので\(A=A^{a}=A\cup A^{d}\supseteq A^{d}\)となるので\(A^{d}\subseteq A\)となる。

\(\Leftarrow\)

\(A^{d}\subseteq A\)であるとき、\(A=A\cup A^{d}=A^{a}\)となるので\(A\)は閉集合となる。

\(\Leftrightarrow\)

これらより、\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)が成り立つ。

ページ情報
タイトル
位相空間での開集合・閉集合と内部・境界・閉包・導集合の基本
URL
https://www.nomuramath.com/wtr0yl9h/
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