全有界ならば有界
全有界ならば有界
全有界ならば有界である。
逆は一般的に成り立たない。
全有界ならば有界である。
逆は一般的に成り立たない。
\(\Rightarrow\)
全有界のとき、任意の\(\epsilon>0\)に対し、ある有限部分集合\(A\)が存在し、\(X=\bigcup_{a\in A}U\left(a,\epsilon\right)\)とできる。このとき、任意の\(x,y\in X\)に対し、ある\(a,b\in A\)が存在し、\(x\in U\left(a,\epsilon\right),y\in U\left(b,\epsilon\right)\)とできて、\(d\left(x,a\right)<\epsilon,d\left(y,b\right)<\epsilon\)となる。
また、\(A\)は有限集合なので\(\max\left\{ d\left(a,b\right);a,b\in A\right\} <\infty\)となる。
これより、
\begin{align*} d\left(x,y\right) & \leq d\left(x,a\right)+d\left(a,b\right)+d\left(b,y\right)\\ & \leq\epsilon+\max\left\{ d\left(a,b\right);a,b\in A\right\} +\epsilon\\ & =2\epsilon+\max\left\{ d\left(a,b\right);a,b\in A\right\} \\ & <\infty \end{align*} となるので、\(\diam\left(X\right)=\sup\left\{ d\left(x,y\right);x,y\in X\right\} <\infty\)となるので\(X\)は有界となる。
\(\Leftarrow\)は一般的に成り立たない
反例で示す。距離空間\(\left(X,d\right)\)で\(X=\left[0,1\right]\)として、距離を離散距離関数
\[ d\left(x,y\right)=\begin{cases} 0 & x=y\\ 1 & x\ne y \end{cases} \] ととると\(\diam\left(X\right)=\sup\left\{ d\left(x,y\right);x,y\in X\right\} =1<\infty\)なので有界である。
次に全有界でないことを確認する。
\(\epsilon=\frac{1}{2}\)とすると、\(x\ne y\)なら\(U\left(x;\frac{1}{2}\right)\cap U\left(y;\frac{1}{2}\right)=\emptyset\)となり、\(\epsilon\)近傍は交わらないので、\(U\left(x;\frac{1}{2}\right)=\left\{ x\right\} \)とただ1点になってしまう。
これより、有限の点では\(X\)を覆えないので全有界ではない。
ページ情報
タイトル | 全有界ならば有界 |
URL | https://www.nomuramath.com/x9ovgcyv/ |
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距離空間ではコンパクト集合と点列コンパクト集合とは同値
完備距離空間の部分集合は完備とは限らない
完備距離空間$\left(X,d_{X}\right)$の部分集合$A\subseteq X$は完備とは限らない。
パリ距離は距離空間
\[
d\left(\boldsymbol{x},\boldsymbol{y}\right)=\begin{cases}
\left|\boldsymbol{x}-\boldsymbol{y}\right| & \exists c\in\mathbb{R},\boldsymbol{y}=c\boldsymbol{x}\\
\left|\boldsymbol{x}\right|+\left|\boldsymbol{y}\right| & other
\end{cases}
\]
距離空間ならばハウスドルフ空間
距離空間$\left(X,d\right)$ならばハウスドルフ空間となる。