空集合の定義と性質

空集合の定義と性質

空集合の定義
要素を1つも持たない集合を空集合といい\(\emptyset\)で表す。
空集合は
\[ \emptyset=\left\{ \right\} \] である。

空集合の性質

(1)

空集合は唯1つ存在する。
任意の元\(x\)に対し、\(x\notin\emptyset\)となる。
任意の集合\(A\)に対し、\(\emptyset\subseteq A\)となる。

(1)

空集合が\(\emptyset_{1},\emptyset_{2}\)の2つあり\(\emptyset_{1}\ne\emptyset_{2}\)と仮定する。
このとき、任意の集合\(A\)に対し\(\emptyset_{1}\subseteq A\)が成り立つので\(A\)に\(\emptyset_{2}\)を代入すると、\(\emptyset_{1}\subseteq\emptyset_{2}\)となる。
同様に\(\emptyset_{2}\subseteq\emptyset_{1}\)が成り立つ。
これより、\(\emptyset_{1}\subseteq\emptyset_{2}\)かつ\(\emptyset_{2}\subseteq\emptyset_{1}\)なので\(\emptyset_{1}=\emptyset_{2}\)となるので矛盾。
従って、背理法より\(\emptyset_{1}=\emptyset_{2}\)となり、空集合は唯1つ存在する。

ページ情報
タイトル
空集合の定義と性質
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https://www.nomuramath.com/z4pn0ulj/
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